NISAとは?
「NISA」という言葉を聞いたことはありますか?
NISAとは少額投資非課税制度のことで、投資で得た利益に対しての税金が免除されます。
例えばあなたが100万の株を購入したとします。
そして購入後にその株の価格が上昇し、150万円で売れたとしましょう。
この場合の利益は本来50万円ですが、通常の投資ではもうけた金額に対して約20%の税金が発生するため、利益は40万円となります。
しかしNISAであれば利益に対しての税金が免除されるため、利益は50万円そのまま受け取ることが可能です。
このようにNISAは投資の初心者でも利用しやすい制度です。
そして2024年1月からはこのNISAの制度が一部改良され、さらに利用しやすくなったため、NISAの基本から従来のNISAと新NISAの違いまで分かりやすく解説します。
従来のNISAについて
NISA(ニーサ)は、日本における少額投資非課税制度の一つです。
この制度は、特定の証券(株式や投資信託など)への投資に対して、一定期間、利益に対する税金を免除するものです。
そのためNISAは特に定期的な投資を行うことを目的としており、毎年一定額までの投資が非課税となります。
この制度の主な特徴は以下の通りです:
●非課税期間
積立NISAの非課税期間は20年間です。
この期間内に得た利益に対しては、所得税や住民税が免除されます。
●投資限度額
毎年設定される投資限度額があり、この範囲内での投資が非課税となります。
●対象商品
国内外の株式や投資信託など、幅広い金融商品が対象となっています。
●長期投資の促進
積立NISAは長期的な資産形成を目的としており、定期的な投資を通じてリスク分散と資産の増加を目指します。
積立NISAは特に長期的な資産形成を目指す投資家に適しており、税制面での優遇を受けながら、資産運用を行うことができるメリットがあります。
ただし、投資にはリスクが伴うため、商品選択や投資戦略には慎重な判断が必要です。
従来のNISAと新NISAの違い
新NISAは、2024年から始まる改正版NISAで、いくつかの重要な変更点があります。
主な違いは以下の表の通りです。
成長投資枠とつみたて投資枠
「成長投資枠」と「つみたて投資枠」は新NISA制度の下で提供される二つの異なる投資枠です。
●成長投資枠
成長投資枠はよりアクティブな投資戦略に適しており、市場の成長銘柄や個別の投資チャンスを狙った投資に適しています。
成長投資枠では、1年間に最大240万円までの投資が可能です。
国内外の株式、ETF(上場投資信託)、一部の投資信託が含まれますが、整理・管理銘柄や信託期間20年未満、高レバレッジ型および毎月分配型の投資信託など、一部の商品は除外されています。
任意のタイミングでまとめて購入することも可能です。
●つみたて投資枠
つみたて投資枠は長期的な資産形成と、分散投資に重点を置いています。
低リスクを好む投資家や長期的な安定した資産増加を目指す投資家に適しています。
つみたて投資枠では、1年間に最大120万円までの投資が可能です。
主に金融庁が選定した積立・分散投資に適した投資信託が対象です。
つみたて投資枠では主に定期的な積立投資が基本となります。
従来のNISAでは片方の枠しか使えませんでした。
しかし新NISA制度では、これら二つの枠を併用することが可能です。
これにより、投資家は自分の投資スタイルやリスク許容度に応じて柔軟に資産配分を行うことができます。
例えば、一部の資金を成長投資枠でアクティブに運用しつつ、別の資金をつみたて投資枠で安定した長期投資に充てることが可能です。
非課税保有期間
従来のNISAは非課税期間が定められており、この期間を超えて保有すると税金が発生していました。
例えば一般NISAで株を購入した場合、非課税保有期間は5年間です。
この期間が終了すると、保有している商品は課税口座へ自動的に移管されます。
非課税期間が終了した後にこれらの商品を売却すると、売却益や配当金、分配金などが課税対象となります。
つまり長期保有をするためにNISAで株を購入しても、5年以上売却せずに保有していると自動で税金がかかってしまうのです。
一方で新NISAでは非課税保有期間が無期限となったため、より長期保有しやすい制度となりました。
生涯非課税限度額
新NISA制度では、生涯非課税限度額が従来のNISA制度と比較して大幅に拡大されています。
この拡大された限度額は、投資家が長期間にわたりより多くの資産を非課税で運用できるようにすることを目的としています。
新NISAの生涯非課税限度額は合計で1,800万円です。
これは、成長投資枠(上限1200万円)と、つみたて投資枠(1800万円-成長投資枠)を併用した場合の総額です。
つみたて投資枠における生涯非課税限度額には特に上限が設定されておらず、全体の1,800万円の範囲内で利用できます。
そして新NISAとなり最も大きいメリットは、保有株を売却すると非課税投資枠が復活することでしょう。
これは新NISAを利用するうえで非常に重要なポイントなので、丁寧に解説していきます。
新NISAの投資上限額は年間360万円です。
したがって毎年360万円を投資すると5年間で合計1,800万円となり、生涯非課税限度額に達するので「売却しない限りは」6年目以降、新NISA口座を通じた非課税での追加投資はできなくなります。
新NISAでは売却によって一度使用した非課税投資枠を翌年に再利用することが可能です。
これは「非課税枠が復活する」とも表現されますが、保有商品を売却することで「非課税枠が復活」し、翌年使えるようになります。
ただしあくまで非課税枠が復活するタイミングは「売却した翌年」。
さらに年間の最大取引金額は360万円なので仮に360万円以上の保有金額を売却しても翌年に使える非課税枠はあくまで360万円なので注意が必要です。
なぜ政府はNISAを推奨するのか?
投資に対しての税金が免除され、メリットが非常に多いNISA。
では、なぜ政府はわざわざ税収が減るようなNISAの制度を推奨しているのでしょうか?
それは政府がNISAを勧めることで、国民が投資を通じて利益を得ることで、結果として経済が活性化して日本が豊かになるからです。
NISA制度は、国民が投資で得た利益に対して税金を免除することで、投資をもっと身近なものにし、国民に積極的に投資をしてもらいたいという政府の思いが込められています
。
実際に世界ではでは今や、小さい頃から投資の教育が当たり前となりつつあります。
海外では若者でも当たり前に投資を行っている状況の中、日本はあまりにも投資に対して無知すぎます。
その状況を少しでも緩和しようと考案されたのがNISA制度なのです。
最後に
ここまで新NISAについて解説しましたが、きっと投資初心者の方には初めて見る言葉ばかりで難しかったと思います。
しかし最初からすべてを理解している人なんていません。
誰しもが自分でやりながら少しずつ理解し、利益を出していくものです。
はじめから全てを射理解しようとする、ではなくまずはやってみて次第に覚えていくことをお勧めします。